2023年11月 委員長あいさつ


年収の壁~政府の支援強化パッケージ~


毎日のお仕事お疲れ様です。
アークランズ労働組合 中央執行委員長 安達です。

パート労働者の収入が一定額を超えると税金や社会保険料の負担が生じて手取りが減ります。 以前からパートタイム労働者にとって、税や社会保険の適用基準が「年収の壁」となり、労働時間の調整による職場の人員不足に繋がることが課題となっていました。

今回、政府は社会保険適用後も手取り収入が減少しないよう労働者の収入を増加させる取り組みを行う企業に対する助成金制度を新設しました。
今回の対策は2025年に予定される抜本的な年金制度改定に向けた時限的措置とされていますが、「106万の壁」への対応策として、社会保険加入を行い、従業員の手取り額の減少に取り組んだ企業に対し、従業員一人当たり最大50万円を助成、また社会保険料の負担を軽減するため、企業から従業員に「社会保険適用促進手当」の支給等により収入増させる場合に助成されます。
「130万の壁」への対応では繁忙期に労働時間を延ばすことで収入が一時的に上がったとしても、企業がその旨を証明することで引き続き扶養に入り続けることが可能になる仕組みができるとのことです。

UAゼンセンではこれまでも「組合員の能力の発揮、生涯にわたる生活の安定の観点から、短時間組合員の被用者保険加入に積極的に取り組む。」ことを示してきました。 組合員に正確な情報を伝えるとともに、賃上げや労働時間の延長を組み合わせて手取り収入の減少をいかに補うのか、「人手不足なら企業は賃上げしてその分売り上げを伸ばす経営努力をするべき」と指摘する専門家もいます。
今回の制度について労使ともによく検討し活用していくことが必要です。